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a-game shop(国際通信社)の日記出張所です。店舗の商品紹介はもちろんのことアナログゲームのことや日々のつれづれごとを日記にして書いております。
a-game つれづれ日記
ボードゲームから歴史ゲームへの変換作業
2010-05-10-Mon  CATEGORY: ゲーム
私、海外ドラマの「Battlestar Galactica」にのめり込んでいるのはご存じの通り。現在、国内では最終章のseason4が放映されているのですが、DVD発売まで全て見ないでおこうと我慢しております。色々と気になる部分はあるのですが、気を紛らわすためにseason1からDVDをレンタルしてもう一度見直しているのが現状です。

この作品の面白さは、旧作の「宇宙空母ギャラクティカ」リイマジネーション作品であることから、基本的なストーリーの軸が同じでありながら、現在に通ずる様々な問題を今の視点で描いている人間ドラマであること。かなり重たい題材のストーリーや全シリーズにリンクしているテーマが所々に垣間見れるのがよいと私は感じています。

ところで、この作品を題材にしたボードゲームは数あるのですが、中でも秀逸で昨年まで高評価を得たのが↓この作品

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続編のエキスパンションも登場して、勢いがとまりませんでした。

bg_pg.jpg

シミュレーションゲームを中心にプレイされる方には、原作のあるボードゲームには興味がないという方もいると思います。

しかし、この2作品ですが、いつも機会があればお話ししている今流行の「協力型ゲーム(CO-OP)」に数えられる作品の一つであり、今後歴史シミュレーションゲームでもこれらの技法を応用した作品が増えてくるだろうと私は感じているので、ここで再び紹介しておこうと思います。

ゲームは全員味方で、1つの目的を持って全員協力してゲームを進めます。

『Battlestar Galactica』ならば、全員Galacticaのクルーとなり最終目的地の地球の手前を目指してジャンプを規定回数成功させればプレイヤーの勝利となります。

ただし、

プレイヤーの中には敵対勢力の人型生命体サイロンが加わっており、クルーたちの目的を密かに妨害します。この密かにというのが厄介で、だれが敵だか味方だか解らないので、プレイヤー全員の意識に「疑心暗鬼」が発生するのです。巧妙なことに、ゲームの前半には、誰もサイロンではないことも可能性としてあり、途中からサイロンがゲームに加わることだって発生します。全員に協力的でない(あるいは協力できない状況にある)ことで、「お前がサイロン何じゃないか?!」という疑いがかけられるのです。

この辺りは、原作のドラマでも嫌疑にかけられて船団内のまとまりが無くなることもあることから、見事にボードゲームの中に人間の心理を折り込むことに成功している訳で、原作の雰囲気を楽しめる部分だと思います。

「味方の中に敵がいる」という構造は、このSF作品だけにしか内特徴ではないことは、皆さんもお気づきかと思います。

戦国時代をテーマにしたゲームならば、誰が敵で誰が味方になってもおかしくない状況が再現できる訳ですよね。

一例として「関ヶ原」なんてどうでしょうか? 全員が西軍の武将となって東軍の家康を倒そうと試みるのですが、味方の中に裏切り者がいる……訳です。

もっとグローバルに捕らえるならば、日本を外国の手から守ろうといくつかの勢力が協力しながら、最終的に自分たちが国家を政権を奪い取り、対抗勢力を落とし込む「幕末もの」

あるいは、「太平洋戦争」をテーマにして、プレイヤーは「陸軍」「海軍」を指揮するも、お互いの利害関係で衝突しながらも米軍と戦わねばならないシチュエーションをゲームに折り込んだり……。

今までの「CO-OPシステム」ならば、代表的な『ARKHAM HORROR』などにある、TRPG的に最初から最後まで一枚岩の協力体制でゲームに参加することが多かったのです。個々の利害関係を反映させながら全体的な利益のために力を合わせるものの、結局「裏切り者」が混じっているジレンマとも闘わねばならない、というシチュエーションまで折り込めるようになったことから、この手のボードゲームは他のテーマに大きく影響を与えることができるようになったと私は感じています。

たんなるSFボードゲームではなく、他のテーマに落とし込める素材として、もしゲームを作ってみようという志を持っている人ならば、一度プレイされることをお薦めした作品のひとつだと感じているのです。

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