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『レッド・ドラゴン・ライジング』なお話し
2010-04-13-Tue  CATEGORY: ゲーム
発売日を間近に控えた『コマンドマガジン92号』ですが、既に予約された方も多いはず。発送までもうしばらくお待ち下さいね。

今回付録ゲームとして収録されている作品は、話題の『レッド・ドラゴン・ライジング』なのですが、今ひとつこのゲームに興味がわかない人もきっといることでしょう。なにせ、私も現代戦にほとんど興味が無かった訳ですし、テストプレイをさせてもらうまでは、ニュースで見聞きするレベルの世界情勢しか知りませんでしたからね。

しかし、プレイしてみると「ははぁ~ん、なるほど」と思わせるギミックが沢山ちりばめられており、ゲームのシステムに興味があると言う人にとっては目から鱗なゲームと言えるでしょう。

ということで、本日のブログは現代戦に興味が無くてもゲームとしてここに注目したい『レッド・ドラゴン・ライジング』を私なりに紹介したいと思います。……しかし、うまく伝えられるか心配(笑)。

『レッド・ドラゴン・ライジング』というゲーム、マクロな部分とミクロな部分を見事にゲームの中に再現した作品に仕上がっています。この作品、デザイン手法や様々なギミックはこれから新たなゲームが作られる上で見本となりうるジャンルのゲームにきっとなるだろうと私は感じていますし、そういう角度からも注目すべき作品なのではないでしょうか。

cm92_2.jpg

↑が本作のマップです。戦闘の中心は海域になるのですが、勿論陸上でも発生します。航空機の戦闘も活躍しますから、陸・海・空3軍の戦いがゲームに折り込まれている訳です。3軍が登場する、となればそれぞれ戦闘解決法が異なってて難しいのでは、と思うかもしれません。しかし『レッド・ドラゴン・ライジング』は共通の戦闘システムで解決するので、複雑になりがちな現代戦のシステムをスマートに再現し、システムの軽量化に成功しています。

cm92_3.jpg

各々のユニットには4つの数字が割り当てられてられており、「対地戦闘力」「対空戦闘力」「対潜戦闘力」「対艦戦闘力」となります。

戦闘はユニットごとに解決されます。戦闘力が大きいほど、相手に損害を与える可能性が高くなります。逆に0ならば、全く損害を与えられません。例えば「潜水艦」と「航空機」が戦闘になれば、お互い対応する戦闘力を使って攻撃するわけですが、「潜水艦」は対空戦闘力が0なので一方的に攻撃されるわけです。

このように、戦闘システムを単純にすることでゲーム中に陸・海・空全てのユニットをスケールの中に落とし込んでいる点がこのゲームの特徴です。

もうひとつの特徴は「作戦行動」という両陣営の行動に関するルールです。

この作品、ゲーム手番がとても簡単になっています。

(1)中国軍陣営ランダムイベント判定
(2)中国軍陣営作戦行動
(3)米軍陣営ランダムイベント判定
(4)米軍陣営作戦行動


上記の繰り返しで、中国軍が30個の「作戦行動」を終了したらゲームは終了します。

ランダムイベントは毎回処理しなければならないわけではないので、実際に行うべき手番は上記手番30回分よりはるかに少なくなります。

各々の「作戦行動」はユニット1つ1つに与えられた任務や行動ではなく、対局を睨んだイベント的な軍事行動が、両陣営に20個準備されており、戦局をマクロに動かしていることを表現しています。なので、通常の移動/戦闘のような軍事行動のみならず、

中国中部エリアから台湾への空襲
朝鮮半島での地上戦開始
中立国参戦のための外交交渉努力


など、複合的な作戦が両陣営に固有の選択肢として与えられているのです。

ルールブックの巻頭に記載されている以下の文章は、まさに『レッド・ドラゴン・ライジング』が描こうとしたテーマが全てこの文章に集約されていると思います。

実際に起こった戦争ではないため、(他のウォーゲームのように)事象を再現するというわけにはいきません。そこで戦争の推移を厳格に描くのではなく、全体としてどのような戦争が行われるのかが描かれるようなシステムを構築しました。そのため、ゲームにおけるアクションはマクロになったりミクロになったり、あるいは急速に事態が進展するかと思えば、スローモーションのように映ることでしょう。ニュートン力学よりも量子力学的、ノーマン・ロックウェルのイラストよりエッシャーのだまし絵のようなシステムなのです。それがどのような戦争であったかは、プレイが終わった後、プレイヤーの印象に残っている事象を再構築することによって描き出すことができるでしょう。
【コマンド版ルールブックより抜粋】


とまぁ、『レッド・ドラゴン・ライジング』の注目したい点についてだらだらと書いてみました。

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