
4月20日(月)、コマンドマガジン86号が発売となりました。今号の特集は、「本質の表現者:ロン・ベル」と題しまして、氏の作品である『モンスの戦い』が付録に付けております。コマンドマガジンでデザイナーを特集にした号というのは、あまり記憶にないのですが……今までありましたっけ?
ところで、今号の付録『モンスの戦い』ってご存じでしょうか? この戦場、戦局や経緯よりはむしろ第一次世界大戦中の有名なエピソード「モンスの天使たち」の方がよく知られているかもしれませんね。
強大なドイツ軍の攻勢の前に、イギリス軍は包囲される危険に恐れながら撤退に成功するのですが、その撤退の際、甲冑の騎士や弓兵がドイツ軍の前に立ちふさがり猛攻を防いだという噂が立ったらしいのです。
「モンスの天使たち」に関する記述は今号のコマンドマガジンに大木毅さんがコラムを記載されているのでそちらをじっくりご覧いただきたいのですが、どうも「モンスの天使たち」事件の現象を引き起こした要因として、大戦に従軍していた小説家の影響が大きいと大木さんが書かれています。
なるほど。真相はわからないとして、作家さんの創作の可能性もあるんだなぁ。
しかし私、極限状態に追い込まれた戦場だからこそ、このようなエピソードって生まれるんじゃないかと思いますし、この事件を単に作家の創作とは思えないのですよ。もちろん、現実味が無いといえばそれまでなんですが、奇跡的に起こった現象の例えとして「天使」を引っ張り出してくるのは良いような気もするのでね。
ところで、第一次世界大戦に従軍した小説家って結構いたみたいですね。この辺りは、今号の「ゲームから本へ 本からゲームへ」をご覧くだされば、なお知識が増えると思います。こちらの記事で「第一次世界大戦で死んだ詩人たち」というサイトの紹介もされているので、少し違う角度から第一次世界大戦という歴史を眺めることもできるかもしれませんね。
86号は、これまでのコマンドとは少しつがう角度から歴史やゲームにアプローチしていますので、また雑誌の感想をアナログゲームショップやコマンドマガジン集部までお送りください。お待ちしております。
また、今回の特集にも取り上げられているデザイナーのロン・ベルが携わった作品が2 in 1で楽しめる『旅順攻略/奉天決戦』も今号で取り上げられています。このゲームも4月1日発売になったばかりで、特に『奉天決戦』は『モンスの戦い』と同じ機動戦をテーマにした作品。比較してプレイすると、ロン・ベルの本質が見えてくると思いますよ。
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